音楽畑16 Friends
収録曲
- 1.Friends・Love・Believing~ぬくもりをありがとう
- 2.この地球の小さな君へ
- 3.そして唄は行く
- 4.淡虹色の夢 '99
- 5.処女航海 '99
- 6.オラ オラ '99
- 7.うらぎり
- 8.夜明けのマンハッタン '99
- 9.煙が目にしみる
- 10.秋風の頃 '99
- 11.老朋友
- 12.自由の大地 '99
- 13.歓喜のうた
- 14.友情
LINER NOTES
Friends・Love・Believing ~ぬくもりをありがとう (TBS系列『ZONE』テーマ曲)
仕事を始めて、ふと気が付いたら何時の間にか40年という月日が流れていた。オヤジ良一に「10年は何とかなるが、その後を続けて行くのは大変だぞ」とよく言われた。 その言葉をかみしめながら、今日まで何とかやって来れたとしたら、それは絶対自分一人の力では無いと思う。沢山の友人に支えられ、沢山のミュージシャン、アーティストたちに手伝ってもらいながら、ヨロヨロと歩き続けて来た結果が、この40周年だと思う。 今回、記念アルバムを作るにあたり、本当に大勢の方にお世話になった。どのアーティストも僕の大事な仲間であり、尊敬する音楽家であり、共に斗って来た戦友達である。 参加してくれた全ての関係者に、心から感謝の気持ちを捧げたいと思う。有り難うフレンズ。
この地球(ほし)の小さな君へ Dreamin' Of You
ちょうど、24時間テレビの取材で、ネパールから帰ってきたばかりの恵美ちゃん。澄んだ目の子供たちに逢ってきた感動さめやらぬまま、素敵な詩を書いてくれた。 もともと大きな声で主張したり、おおげさな事を声高に言うのが苦手な僕としては、ル・クプルがデビューした時は、とても嬉しかった。 ひそやかに、そしてしっかり、何時迄もみんなの心に沁みる歌を歌ってほしいと心から思う。
そして唄は行く Off-side Trap
人生はまるでサッカーボールのよう。行方も知れず、結果も読めない。僕は特にサッカーが好きな方ではないのだが、2000年のワールドカップサッカーをきっかけとして、日本と韓国がより良い関係になりそうな兆しが見えるのはうれしい事だ。 さてEPOとはよく一緒にコンサートをやる。何かコラボレーションを…という事で、この曲に詩を付けてもらったが、CD化するのは今回が初めて。 何処でも気軽に、マネージャーや、付き人無しでふらっと来てくれるEPO。彼女を見ているといつもあの優しい観音さまを思い出してしまう。素敵な作品になりました。
淡紅色(ときいろ)の夢 '99 Nipponia Nippon
毎年8月10日に行われる新潟の「夕日コンサート」。今年で15回目になる。ゲストに来てもらった宗次郎さんに、この曲を演奏してもらった。実にさわやかで明るい音は、この曲を聞き慣れているスタッフにも非常に新鮮な印象を与えた。 今回、トリビュートアルバムに、このステージの再現をと思い立ちお願いした所、心良く宗さんのOKをもらう事ができた。中国政府の友情により無事に誕生した日本生まれの赤ちゃんトキのすがたを思い浮かべながら聞いてください。
処女航海 '99 Maiden Voyage
今回、19組のアーティストの中で、最若年の佐藤竹善君、自分の大事なCDの制作で東京とロスアンジェルスの往復の中で、時間を割いてくれた。 先年、大宮でのジョイントコンサートの時も、3曲しかやらなかったのでフラストレーションがこうじ、コンサートが終わってから朝4時までカラオケで歌いまくったらしい。 若さのせいなのか、それとも単に酔っ払っただけなのか、その辺は定かではない。竹善のリクエストに応えて、格調高い作詩をしてくれた、なかにし礼は青森の学校で竹善の先輩にあたるとか、不思議なえにしと言えよう。
オラ オラ '99 Ola Ola
音楽生活40周年にあたるこの記念すべき1999年の正月の朝を、私は渡辺真知子と札幌で迎えた。と言っても、勘違いしないでほしい。単に毎年やっているカウントダウンコンサートのステージ上での事で有る。因みに記念すべき2000年の夜明けは、大橋純子と迎える予定だ。ついでに言うと、どちらも声が日本一でかい。 ここの所ラテンに凝っている真知子ちゃん、私の弟分のサーカスと、楽しそうに歌ってくれました。
うらぎり Traicion
実の親子よりも、仲の良かった親友同士が何かのきっかけで顔も見たくなくなると言うのも、これ又よくある話だ。 一度こじれてしまうと、なまじ親友だっただけに、なかなか元には戻らない。逢うは別れの始めとやら。
夜明けのマンハッタン '99 Manhattan Twilight
はじめて良子ちゃんに会ったのは、彼女がまだ18才のとき。“この広い野原一杯”のアレンジをたのまれて、築地のビクタースタジオでの初レコーディングの時だった。 あれから長い年月が経って、僕も頭が胡麻塩になり、良子ちゃんも笑うと目尻に可愛い小じわが寄るようになったが、声のほうは益々みがきがかかって来た様に思う。 先年のミッシェルルグランとのコンサートの際も、あのうるさいルグランが手放しで誉めていたのだからまず本物と言って良い。
煙りが目にしみる Smoke Gets In Your Eyes
達郎が好んで、自分のコンサートでプレイバックで歌うこの曲、「Season's Greetings」に収録されている。今回のトリビュートアルバムの制作にあたり、達郎は発起人代表というかたちだが、彼の発案により僕が今迄やって来た作曲と編曲という両方の切り口を見せた方が良いという事で、アルバムの中にアレンジもの2曲を入れてみた。 この曲は奇しくも僕が仕事をスタートした1959年度ビルボードチャートの1位を獲得している。耳の良い方はエンディング部分にコーラスが付け加えられた事に気がつくと思う。
秋風の頃 '99 Autumn
子供の頃を思い出す時、頭の中に浮かんでくるシーンがいくつか有る。赤とんぼ、白壁の土蔵に赤い柿の実、鰯雲、夕日に光るすすきの穂波。 喜多條忠さんが、そうだそうだと言いながら懐かしい世界を造り上げてくれた。南こうせつ君とは神田川のゴールデンコンビだが、なんと1982年以来の再会だとか…。そんなはなしも今回うれしい事のひとつだ。
老朋友(ラオパンユウ) Lao Peng You
朋友(とも)遠方より来たる、又楽しからずや。譬え我が身がどんな境遇にあろうとも、過去に色々あったり、家が少しぐらいボロ屋でも構わない、遊びにおいでよ。 一升瓶なんかぶら下げて来ればうれしいし、カミさんに団子のお土産なんか有ればもっとうれしい。 40周年が終わったら、地方に沢山できた友達を訪ねて酒を酌み交わしたり、音楽の話しをしたりするのが今の僕の夢だ。ついでに仲間を集めてミニコンサートなんかも良いかも知れない、と言ったらスタッフに「それって結局遊びじゃなくて仕事っていう事ですよね?」と言われてしまいました。
自由の大地 '99 The Free Land
この2、3年定着したミュージックフェアーの正月バージョンに、3大フォークテナーという企画がある。 さだまさし、谷村新司、南こうせつ、誰がパヴァロッティで、誰がドミンゴでカレラスかはさておくとくして、まったく音質の違う3人がハモると、不思議な魅力がそこに生まれる。ロンドンシンフォニーオーケストラと混声合唱団を従えて堂々のパフォーマンスをお聞きあれ。
歓喜のうた Song Of Joy
発起人代表の山下達郎君発案によるアレンジものの、もう1曲が、この“歓喜のうた”だ。 今年はドイツにおける日本年という事で、ベルリンのブランデンブルグ門で野外コンサートを行った。オーケストラはベルリナシンフォニカで、1部のゲストは米良美一、2部のゲストはジ・アルフィーを迎えて、大いに盛り上がったが、フィナーレの曲がこの“歓喜のうた”で有る。CDバージョンは、ロンドンシンフォニーオーケストラにバックをつとめてもらうと言う豪華版。 既に3作リリースされているCD“ジ・アルフィークラシック”で世界の有名なオーケストラとわたりあって来た彼らの実力を再認識してほしい。
友情 Friendship
友達って何だろう? 友情って何だろう? あまりべたべたせず、そんなにお互い気にせず、一年位逢ってなくても、さっき迄一緒にいたように続きが話せたりするのが良い。一緒にいて、一時間しゃべらなくても気詰まりに感じず、そのままコックリしたりしたら、そっと寝かしておいてあげるのもこれ又良い。
友情の大事な基本は相手に対する思いやりと尊敬に有ると思う。
※このライナー・ノーツは、CD制作当時に書かれたものです。